2026.05.01
MEDIA

「俳優として新たな心構えを持つようになりました。」
俳優ウィ・ハジュンは、4月7日に放送終了したtvNドラマ「セイレーンのキス」について「作品の大切さを実感するきっかけになった」と語った。2021年、世界を席巻したNetflix「イカゲーム」シーズン1で警察官ファン・ジュノ役を演じ、一躍スターとなった彼が、その後tvN「シスターズ」、ディズニープラス「最悪の悪」、tvN「卒業」などを経て得たさまざまな学びを「セイレーンのキス」に溶け込ませたためだ。
最近、ソウル・江南区のあるカフェで会った彼は、「「イカゲーム」シーズン3まで立て続けに撮影し、「セイレーンのキス」を撮る前にちょうど1年間休むことになった。その間、自分の時間を持ちながら変化について考えるようになった」とし、「人間ウィ・ハジュンとしての時間をしっかり過ごしたことで、より良い俳優になるために努力しようという気持ちを得た」と振り返った。
一連の変化の中で最も目立つのは「以前よりも柔らかくなった姿勢」だ。「セイレーンのキス」を撮影しながらは、すべてのスタッフに一人ひとり必ず一つずつ褒め言葉をかけ、ファンのためにあれほど嫌がっていた歌まで別途習うようになった。
こうした「柔らかいムード」を作品でも表現したいと語る。ウィ・ハジュンは「「シスターズ」や「セイレーンのキス」では命を懸けた愛をしたが、これからはもう少し明るくユーモアの混ざったロマンティックコメディをやってみたい。今は思った以上にメロが自分に合っている気がする」とし、「“テト男”ではあるが、恋に落ちて優しくなる、無骨で純粋な愛をする男性の姿が実際の自分にも似ている」と照れくさそうに笑った。

Q. 「セイレーンのキス」を終えた感想は?
「ワクワクする気持ちと名残惜しさを抱きながら最終回まで見た。思ったより視聴率も悪くなかったと思う。ジャンル的に明るくて大衆性のある作品ではないので『多くの方に見てもらえるだろうか』という思いもあった。マニア層ができて本当にありがたかった。」
Q. ドラマでは保険調査官チャ・ウソク役を演じた。どのように準備した?
「実際に保険調査官の中には元刑事の方が多く、本当に苦労されている。準備する際には他のキャラクターや作品を参考にするのではなく、その職業の方に会ったり関連ドキュメンタリーを見たりしながら、彼らがどのような事件でどう動くのかを重点的に学んだ。台本の中ではキャラクターをどう作り上げるかを悩んだ。感情表現の幅が大きい分、どの場面でどのように表現するかというディテールを詰めていく過程で、特に監督と多く話し合った。」
Q. 保険詐欺の容疑者として疑っていたハン・ソラ(パク・ミニョン)と恋に落ちるが、現実でもそうなり得ると思うか?
「事件の容疑者だと思って掘り下げていくうちに、だんだん同情を感じて恋に落ちるキャラクターだった。実際なら恋に落ちるのは難しいのではないか?(笑)正直、最初に台本を見たときはチャ・ウソクというキャラクターがあまり理解できなかった。ただ読み進めるうちに、妹が保険殺人で亡くなったというトラウマが犯罪に対する執着を生んだのだと思った。そのためアクションシーンでも感情を使おうとし、事件や相手を執着に近いレベルで掘り下げる姿を見せようとした。その過程で、録音ファイルなどを通じてハン・ソラについて『これは何だろう』と考えるポイントを見つけ、両親を失い大きな傷を抱えているように見える彼女に共感したのではないかと思う。もしかすると被害者なのに加害者にしてしまったのではないかという罪悪感が、愛の始まりだったのではないか。その感情を、この人を守りたい、救いたいという思いへと育てていった。ドラマでは犯人も捕まえなければならず、感情の変化も描かなければならないので、一つ一つをうまく見せるのは簡単ではなかった。視聴者の立場では、チャ・ウソクが思ったより早くハン・ソラに惹かれたと感じたかもしれないが、自分にとっては十分に納得できる感情だった。」
Q. ジャンル要素もあるが、愛の物語を描いた。メロというジャンルについてはどう思う?
「今は思った以上にメロが自分に合っている気がする。(笑)うまく表現したいと思うし。「卒業」と「セイレーンのキス」のメロは少し質感が違うけれど、これからはもっと明るくユーモアのあるロマンティックコメディをやってみたい。同じメロでも自分がやると必ずジャンル要素が入る。いつも命を懸けている(笑)。今はメロをうまくできるという自信がついた。今後やってみたい作品はアン・ボヒョンが主演した「スプリング・フィーバー」のような作品だ。無骨で純粋な愛を表現したい。“テト男”だけど恋に落ちると優しくなる姿が実際の自分とも似ている気がする。」

Q. これまで演じたキャラクターの中で、どれが最も実際の自分に似ていると思うか?
「チャ・ウソクも実はかなり似ている。だからこの人物を理解するのは難しくなかった。自分もそういう傷を持っている人間で、荒々しく無骨な魅力もある。序盤でヤクザと対峙する時の飄々とした姿もあるし、切実な恋もしてきた。「最悪の悪」のチョン・ギチョルとも似ていると思う。そうした無骨な一面のせいか、男性から好かれることが多い。最近も店に行くと男性の店主がとても歓迎してくれる。自分が演じてきたキャラクターは男性集団のリーダー的な役割が多い。実際も軍隊や学生時代にクラスの代表やリーダーをよく務めた。そういう部分が似ていると思う。幼い頃の初恋の記憶が強くて、劇中で初恋に献身的な姿は実際の自分を思い出させることもある。」
Q. なぜ特に男性から人気があるのだと思うか?「セイレーンのキス」では女性視聴者からも好評だったが。
「男性から人気がある理由は運動だと思う。運動はいつも大きな要素になる。そして与えられたことに一生懸命取り組む姿が良く見えたのではないか。もともと礼儀や秩序を大切にするタイプだ。先輩に対して礼儀を守り、規律を守ろうとするし、後に引きずらない。そういうところを良く見ていただけたのだと思う。強がって見えるからかな(笑)。自分に対する反応はあまり探さないのでよく分からなかった。どれだけ探しても見つからない気がして(笑)。命懸けの愛以外にもまだ見せていない姿がたくさんある。抜けているところや優しい一面も本当に多い。女性視聴者が魅力を感じるような姿を自分でも気づき始めている。これまでの硬いイメージから抜け出そうと歌も習っているし、ファンミーティングの準備をしながら歌も別で学んだ。展示も見に行ったりした。今は人間としてかなり変わった。いつも友人たちに『彼氏写真みたいに撮って』と頼んだりもする。そういうふうに自分なりに努力している。作品を通じてそうした姿を見せられたらいいと思う。」
Q. 俳優として自分の最大の強みは何だと思うか?
「二面性が最大の強みだと思う。作品で悪役から“年下男子”まで多様なキャラクターを演じてきた。確かに荒々しい魅力もあるが、内面は実は繊細で怖がりでもある。見た目以上に人間らしい部分が多い。「セイレーンのキス」のイ・ヨン作家も、チャ・ウソクは冷徹な中に温かさがあるキャラクターで、そうした二面性が自分に見えたから合っていると言ってくださった。以前YouTubeコンテンツ「妖精ジェヒョン(原題)」に出演した際も、チョン・ジェヒョンさんがそういう点が良いと言ってくれた。この両面性を演技でうまく活かしたいと思っている。」
Q. 以前とかなり変わったと言っていたが、最も大きな変化は?
「以前は強い面があったが、今は自分も柔らかくなった。前は警戒心が強かったが、今は自分から近づいて話しかけ、褒めることで得られる力がいいと感じている。今回「セイレーンのキス」では特にそうだった。スタッフ一人ひとりに声をかけて褒めた。最初はぎこちなくても、そうすると良いエネルギーをもらえる。時には大変なこともあるかもしれないが、そのエネルギーが本当に良くて続けていきたいと思っている。以前「最悪の悪」で一緒だったチ・チャンウクさんや、「卒業」で出会ったチョン・リョウォンさんがまさにそういう方だった。姿勢がとても良いと感じ、自分も真似してみようと思った。ある日『人は短所を先に見るのは本能だが、長所を先に見るのは才能だ』という言葉を聞いて心に刺さった。それ以降、現場でスタッフの長所を見つけようと努力した。一つずつ見つけるのが楽しかった。相手が喜んでくれると自分も元気をもらえる。それがとても良かった。この姿勢を保ってさらに良くしていきたい。」
Q. 相手役のパク・ミニョンとの相性はどうだった?“サクションキスシーン”と呼ばれるキスシーンが話題になったが。
「序盤は物語に没入する必要があったので、パク・ミニョンさんは本当にハン・ソラのように過ごしていた。でも時間が経つにつれて本来の明るいエネルギーを発揮していた。メロ的な呼吸では本当に違った。さすが“ロコクイーン”だった。『肩はこう掴んだ方がいい』など細かいアドバイスをたくさんしてくれて、とても助けられた。“サクションキスシーン”という言葉は、プロモーションでバラエティ番組に一緒に出演した際に、パク・ミニョンさんが先に言い出したものだ。本当に面白く表現してくれて笑ってしまった。僕たち2人とも密かにお笑いへの欲がある。そして彼女もプロモーションのバラエティは初めてだったので、とても積極的だった。2人で面白くやろうとした結果、ああいう言葉まで出てきた。とても楽しく思っている。」

Q. 「セイレーンのキス」のために減量したと話していたが、どのように準備した?
「画面で見ると、ある瞬間から顔に肉がついているのが分かった。それで減量を決意した。「セイレーンのキス」は心構えが本当に違った。減量も健康的に、しっかりやろうと努力したし、台本もより多く読み、現場に臨む姿勢も変わった。始まりから違っていたと言えるかもしれない。体重については、チャ・ウソクというキャラクターは冷徹な人物なので目がよく映ると思ったが、自分はむくみやすい体質で、少し太るだけで目が小さく見えてしまう。そのためスリムな体を作ろうと努力した。1か月で7kg落とし、今も体重を維持している。ダイエット中はむしろ朝食をしっかり食べた。ギリシャヨーグルト、ブルーベリー、卵はどんなに早朝でも必ず食べ、糖分を減らし運動もした。特に低強度の運動を頑張った。健康的に痩せたので維持もしやすい。もともとお酒や夜食はあまり取らないが、太った原因はデザートを多く食べていたことだと思う。ケーキが本当に好きで、“ドバイもちもちクッキー”やバター餅など流行は見逃さない。以前はそのクッキーを予約するために有名店のSNSに『いつ入荷しますか』とDMを送ったこともある(笑)。以前も作品のために体重はかなり増減させてきた。「最悪の悪」の時はひたすら食べて運動して76kgまで増やし、今は66kgだ。体重の増減は一度経験すると体が慣れるのでできる。むしろ増量の方が難しい。体力管理のために格闘技も続けているが、無理はしない。以前のような体への執着は手放した。今の体型を基準に維持しようとしている。「卒業」を撮影した後、国語講師がヤクザのように見えてしまい衝撃を受けたことがある。その時「イカゲーム」も同時に撮っていて、周りの男性俳優がみんな大きかったので自分が大きくなったことに気づかなかった。しかし塾のシーンではまるで生活指導の先生のように見えてしまった。俳優としてこれは違うと思った。それ以降は普通の服が似合う平均的な体型を維持し、それを基準に増減させている。」
Q. 犯人を追う過程も興味深かったが、自分の推理は当たっていた?
「真犯人については中盤を過ぎてから知った。それまでは全く分からなかった。制作陣に『知らないまま演じたい』と伝えていたので、後で台本を見て知った。知らない状態で台本を見ていても、真犯人は少し怪しいと感じてはいた。推理は難しく、しっかり見ないと見逃してしまうこともある。だから視聴しながら犯人を推理してくれた方々には本当に感謝している。」
Q. 故郷・莞島では作品のたびに横断幕が掲げられると聞いたが、今もそうなのか?
「そうだ。地域の役所がドラマのたびに道路や港、家の前に横断幕を掲げてくれる。今年の旧正月に帰省した際には、当番の方々を訪ねてお茶を飲み、写真も撮って感謝を伝えた。そういうのを見ると本当に“錦を飾って帰る”ような気分になる。周りの方々が喜んでくれるので元気をもらえる。両親もいつも周囲に自慢している。「イカゲーム」以降、自分が知られていく姿をどれだけ誇らしく思っていたことかと思うと、あまり自慢しないでほしいと言ってしまったことが申し訳ない。あの時もっと楽しんでもらえばよかった。自分も楽しめなかった。今は少し後悔している。そんな機会がまた来るとは限らないのに(笑)。当時は浮かれたくない気持ちが強くてかなり抑えていた。最近はトレンドの移り変わりがとても早く、話題性は長くても1か月だ。すぐ忘れられて傷つくのが怖かったのかもしれない。ちゃんと認めて自分を褒めてもよかったのに、家族にも『自慢しないで』と言ってばかりいた。家族にも自分にも少し申し訳ない気持ちがある。」
Q. 振り返ってみて「イカゲーム」以降、大きく変わった?それを乗り越えるべき壁だと思うか?
「今こうして仕事ができているのは「イカゲーム」のおかげだ。自分という俳優をしっかり知らしめてくれた作品だ。一番大きな変化は台本が入ってくるようになったこと。グラビア撮影も経験した。すべてが変わった。ジャンルも広がり、ロマンス作品なども多く入ってきた。ただ自分はアクションやジャンル作品により集中したくて『京城クリーチャー』や「シスターズ」などに出演した。「イカゲーム」を乗り越えるべき壁だと思ったことは一度もない。自分はメイン主人公ではなく一キャラクターとして参加しただけだから、むしろそうしたプレッシャーを感じたことはない。世界中の視聴者に愛された作品に少し貢献できただけだと考えている。今後の作品と比べても「イカゲーム」は別物のように感じる。ただあの作品で見せられなかった姿を他の作品で見せたいという思いは強い。あの作品では抑制された演技だったので、他の面をもっと広げたかった。」

Q. どのような決意で俳優の道に進んだ?
「莞島で19歳まで暮らした。幼い頃からダンスが好きでサークルも作り、舞台に立つのが好きだった。それで漠然と舞台に立ちたい、芸能人になりたいと思った。パフォーマンス担当のアイドルグループになりたかった。中学生の頃から芸術高校に行きたかったが我慢して、高校3年の時に両親に手紙を書いて上京した。ソウルでさまざまな事務所のオーディションを受け、演劇映画学科に進むために演技学院に通い、今に至る。正直、芸能人になるほどハンサムではなかった。真っ黒に日焼けした顔と必死な目だけだった。アクロバットが得意で、2PMのようなアイドルグループになりたかった記憶がある(笑)。昨年は高校時代に作ったサークルを訪れて後輩にも会った。」
Q. 「セイレーンのキス」を新たな出発と捉えているようだが、その理由は?
「「卒業」と「イカゲーム」シーズン2・3を続けて撮影し、「セイレーンのキス」の前にちょうど1年休んだ。それまでは作品が途切れず続いていたが、その1年間は完全に自分の時間を持った。正直、この作品の前に頓挫した作品もあった。運命だと思うが本当に悔しかった。その中で自分を見つめ直すことになった。『今は自分の時間が必要だ』というサインだったのだと思う。「卒業」の時、自分の外見を見て変わらなければと思った。新しい感性を見つけるため努力し、ファンミーティングで初めてファンとも会った。嫌いだった歌にも挑戦したら喜んでもらえて、ボーカルも習うようになった。そうして人間ウィ・ハジュンとしての時間をしっかり過ごした。その結果、作品の大切さも自然と理解できた。それまでは流されるように仕事をしていたが、俳優としてより良い心構えを持つきっかけになった。本当に今回は違った。」
Q. 憧れの俳優は?
「ブラッド・ピットが一番好きだ。制作も行い、さまざまな役に挑戦し続ける姿がかっこいい。タフで強く、ユーモアもあり柔らかさもある。そういう俳優であり人間になりたい。最近はチ・チャンウクさんがロールモデルだ。休まず働き、現場での姿に感動した。最近会った時も『特別出演でもいいから必要なら連絡して』と言ってくれた。挑戦し続ける姿が本当にかっこいい。」
Q. バラエティへの意欲は?
「悩んでいる。オファーは以前からあった。単発のトーク番組は良いが、レギュラーはまだ勇気がなかった。ただ最近は考えが変わってきた。明るく人間らしい姿を見せたいが、それが作品だけでは伝わらない気もするので、必要かもしれないと思っている。tvN「ボゴムマジカル(原題)」のような番組に出てみたい。故郷で年配の方々とも多く過ごしてきたので、うまくできると思う。姉はヘアデザイナーで、自分も田舎で髪を切ったことがある。そうした姿が番組で見られて面白いと思ったし、良い企画だと思う。「ピンゲゴ(原題)」のような番組にもぜひ出演したい。」
Q. 「セイレーンのキス」はどんな作品として残る?
「俳優として個人的に多くを感じた作品だった。主演としての姿勢、台本の見方、演技に対する考え方が変わった。俳優としてまったく新しい心を持たせてくれた作品であり、多くを学んだ。だから次の自分が楽しみだ。以前は“次の自分”をあまり考えなかったが、今回は本当に良い影響を受けた。作品に真剣に向き合い苦しい時間もあったが、その過程が自分には必要だった。これがなければ長く主演を続けることはできなかったと思う。良い学びとして受け止めている。今後も主演俳優として活動し続けるための土台を築いてくれた作品だと思う。」
写真提供:MSTEAM ENTERTAINMENT, tvN
出処:https://m.entertain.naver.com/home/article/437/0000486988