2026.05.08
MEDIA
tvNドラマ「セイレーンのキス」での保険調査員チャ・ウソク役
「劇的な感情の変化…ポイントごとに計算しながら研究」
「「セイレーンのキス」はより良い演技を見せるための学び」

俳優ウィ・ハジュン(34)にとって、ドラマ「セイレーンのキス」はさまざまな意味で意義深い作品だった。自分自身で作り上げていたプレッシャーやこだわりから抜け出し、より成長した自分と向き合うことができ、さらに良い演技を見せたいという目標も改めて固めるきっかけとなった。
「難しい作品ではありましたが、現場に遊びに行くような気分でした。一緒に過ごした時間が一つひとつ思い出されて、終わってしまったことへの寂しさが一番大きいです」
最近、ソウル・江南区のカフェで会ったウィ・ハジュンは、「セイレーンのキス」の最終回を迎えた感想をこう語った。「セイレーンのキス」は、保険詐欺を追う男と、その容疑者として疑われる女性が複雑に絡み合っていく過程を描いたロマンススリラーで、日本のフジテレビドラマ「氷の世界」を原作としており、4月7日に最終回を迎えた。
劇中でウィ・ハジュンは保険調査員チャ・ウソクを演じた。美術品オークショニアのハン・ソラ(パク・ミニョン)を保険詐欺の容疑者として疑い接近するが、やがて同情を抱き、恋に落ちていく人物だ。複雑な内面を持つキャラクターであるだけに、理解しアプローチするまでに多くの時間を費やした。
「一般的な感情ではないので、台本を本当に何度も読みました。どのタイミングでどんな感情が芽生えるのか、ポイントごとに一つひとつ計算しながら演じました。その部分が一番難しくて、監督ともたくさん話し合いました」
そうしてウィ・ハジュンはチャ・ウソクの内面を繊細に描き出していった。容疑者として浮上したハン・ソラに対して怒りや憎しみを見せる姿から、彼女の不幸な過去が明らかになる後半では、全力で彼女を守ろうとする純粋な愛を見せる演技へと変化する。
特に、自分の潔白を信じてもらえないことに疲れ果て、極端な選択をしようとするハン・ソラを必死に救い出しながら「君が気になるんだ」と叫ぶシーンは、チャ・ウソクの内面の揺れを劇的に表現したとして高く評価された。
「アクションやジャンル作品は経験を重ねることで慣れてきた部分がありますが、ロマンスはやはり経験の差が大きいと感じます。自分の中に感情は十分にあると思っているのですが、それを引き出して表現する機会が多くなかったので難しさがありました。それでも“メロの部分での目の演技や雰囲気が良かった”と評価してくださる方もいて、本当に安心しました。少しは可能性を感じることができました。次にメロ作品をやることがあれば、もっと上手くできると思うので楽しみにしています」

作品のために体重を減量したのもウィ・ハジュン自身の選択だった。外見的な変化を通して新しい姿を見せたかったからだ。
「「セイレーンのキス」は「イカゲーム」シーズン3まで終えた後、初めて休息期間を取ってから臨んだ作品でした。その期間に自然と筋肉も落ちていたのですが、チャ・ウソクにはシャープな雰囲気が必要だと思ったんです。「イカゲーム」シーズン3のときも、もっと鋭い表現ができたのではないかと後悔があって。今回も同じで、6〜7kgほど減量し、目つきも冷徹な雰囲気を出すためにかなり努力しました」
共演したパク・ミニョンとの演技の相性についても語った。
「やはりミニョンさんはロマンスの達人なので、学びながら演じました。ハン・ソラというキャラクターを作るために多くの悩みと努力をされていたと思います」
また、ハン・ソラに対して狂気じみた執着を見せるペク・ジュンボム役のキム・ジョンヒョンについては、
「新人の頃から好きな先輩でした。サイコパス役はこれまであまりやっていなかったと思いますが、その目つきや演技がとても印象的でした。“今度本気で悪役やってみませんか”と声をかけました」
と語った。
ウィ・ハジュンは、かつて自分自身に縛られていた時期があったと振り返る。特定のジャンルに合う俳優だと自分で決めつけ、その固定観念の中に自分を閉じ込めてしまっていたのだ。それは、自分自身が納得できなければ行動できないという完璧主義的な性格によるものでもあった。
「子どもの頃からマイナーなジャンルやアクション、作家性の強い作品が好きだったので、それ以外は“自信がない、自分にはできない”と決めつけていたように思います。本当はできたはずなのに」

こうした悩みは、演技の幅を広げたいという渇望へとつながっていった。
「俳優として演技をしていると、限界にぶつかっているように感じることがありました。同じようなトーンの演技を続けていると、キャラクター表現にも制約が生まれてしまいます。だからこそ、これからは変わらなければいけないと思っていますし、柔らかくて優しい姿もお見せできるように努力しています。もっと自由に表現できるよう、自信を持とうと思っています」
ウィ・ハジュンは俳優としての11年間、着実にフィルモグラフィーを積み上げてきた。2015年の映画『コインロッカーの女』でデビューし、『コンジアム』で強烈な印象を残し、「イカゲーム」で世界を驚かせた。そしてキャリアの転機となった「卒業」では、メロドラマの可能性も証明した。
「これまでエキストラもやりましたし、フィルモグラフィーに載っていない小さな役もたくさん経験してきました。一歩ずつ段階を踏んできたと思います。その過程があったからこそ今があると思うので、誇らしくもあります」
俳優として歩んできた時間を支えてきたのは“切実さ”だった。ただやりたいという気持ちを超え、この業界で認められなければ続けていけない仕事だということを彼は理解している。
「忘れられたくないという気持ちが大きいです。長く活動し続けたいです。すぐに消えて、すぐに忘れられてしまう時代だからこそ、常に自分を見せ続けたい。そのためにもっと努力しているのだと思います。そういう意味でも、この作品は俳優としての自分にとって本当に必要な学びでした。これからさらに良い演技と姿をお見せするための大きな過程だったと思います」
写真提供:MSTEAM ENTERTAINMENT, tvN
出処:https://m.entertain.naver.com/home/article/003/0013881394